・2004/09/28
「寒いね……」
彼女はそう呟き、俺の肩に頭を寄りかからせる。俺の鼻に、ふわりとした彼女の優しい香りが入ってくる。俺の胸の鼓動が高鳴っているのが、彼女にばれないか心配になってくる。
「そう?あまり寒くはないと思うけど……」
既に季節は秋に入っているが、まだ9月の下旬。今年は冷夏だったとはいえ、寒いというにはまだ早い時期だ。
空を見上げた。翳り一つない月が、煌々と俺達を照らしている。
何となく、危険な夜になりそうだった。
「ううん、違うの……」
俺の首に手を回し、より一層密着する形を取ろうとしている。彼女が吐く吐息が、俺の頬に掛かってくる。頭に血が上ってくるのが、自分でも分かる。
「寒いのは身体じゃないの。どちらかというと……、心のなかのことかな」
「心のなか?」
聞き返す俺の声は、やはり上擦って聞こえているのだろう、彼女はクスクスと笑いながら答える。
「うん……。このまま、二人っきりで過ごして、もし、誰にも気付かれなくって、そうしたら、私達はどうなっちゃうんだろうって……。そう考えると、何だか、寒いの」
彼女の発想に、俺は一瞬笑いそうになる。だが、それはできなかった。彼女が見せている、真っ直ぐ何かを見つめている視線を見てしまった俺には……。
二人っきり。その言葉に、俺も想像力を駆り立てられる。もしこのまま、誰も俺達を見つけられなかったら……。俺達はこの世界の、アダムとイヴになれるかもしれない。そう思えてくる。
「……ねえ」
俺の顔を見つめながら、彼女が言う。俺は、まともに彼女の顔を直視できなかった。
「……ずっと、傍にいてくれるよね?あなただけは、私を……」
……しかし、それも一瞬のこと。直ぐさま俺は彼女と向き合い、その何かを言おうとした唇を、俺の唇で塞いだ。突然のことで彼女も驚いていたが、拒絶するでもなく、俺の唐突なキスを受け入れている。
唇を合わせるだけではない。長く、より深く、相手の中に入っていこうとする、大人の階段を上っていくような、そんなキスだ。
彼女が何を言おうとしたのか、俺には分かった。分かったからこそ、言わせるわけにはいかなかった。それを言ってしまったら……、
きっと俺達は、
深みに嵌っていきそうだったから。
上の小説は、実は今私が作っているゲームの冒頭部分のスクリプトなのです。作っている、と言っても、今日作り始めたばかりなのですが。『Nscripter』という、TYPE-MOONも月姫の製作に使用したソフトを使っています。
一応、恋愛系のお話にしているつもりなのですが、絵が無い、音楽が無い、となったら、寂しいものですよ。黒色背景に文字だけが延々と流れていく……嫌ですね。
ちなみにこのゲーム、配布しようとは思ってません。理由、使っている音楽が著作権に引っ掛かるから。だから個人観賞用で作っています。ある程度慣れたら、商用も作ってみたいですけど。
やってます。面白いです。でも一対二でタコ殴りにするのは止めてくれませんかねえ。
■GUNDAM FACT FILE創刊号買っちゃいました。これから毎週ガンダムです。そういえば、Destinyもそろそろ始まりますし、ガンダム漬けですかね……。
・2004/09/21
白い翼がぽきりと折れた
飛ぶことが出来ない鳥は
その存在意義を無くしたように
静かに檻の中で生きている
死んでいるように生きている
生きていて死んでいる
彼にとって飛翔は命
彼にとって翼は身体
失った痛み
喪失した心
取り戻すのは何時か?
彼は夢見る
再び大空へと羽ばたくことを
彼は望む
高く舞い上がる自分の姿を
読了。今年『空中ブランコ』で直木賞を取った奥田英朗氏の短編集です。エッセイに近いものなのですが、そのテーマが『鉄アレイと少年の肉体修行』など、ユニークなものばかり。帯に『爆笑』という二文字が銘打っていましたが、確かに笑えました。エッセイはあまり読むことはなかったのですが、これは面白いです。
■KID『想い出にかわる君〜Memories Off〜』 完了。ようやくメモオフの3作目を終えました。いやあ、このシリーズのファンだけに、やっておかなければ、と思いながら、ズルズルと時が経っていましたが(4作目も出てるし……)、ようやく終わりました。以下、感想。
・シナリオ
1作目、2作目と比べると、テーマが重いものが多かったです。『死』がテーマとなることが多々ありましたし。しかし、練りこみ方が良くなっていて、物語に没入していける内容でした。ちなみに、久々にプレイ後の何とも言えない喪失感を味わいました。
・グラフィック
今回からキャラデザが松尾ひろゆき氏にかわって、どうなるかな〜と思ったのですが、何のことは無い、良い仕事していますよ。ささきむつみ氏の方が良かった、と思うことはありませんでした。いえ、別にささき氏がダメだというわけではありませんよ。
・キャラクター
攻略可能キャラは7人と、最近のギャルゲーにしては多め(シスプリとか、カラフルキッスは別次元)。メインが2人居て、後の5人のグッドエンディングを見ると、その2人のトゥルーエンドが見れるというシステムでした。皆個性的なキャラばかりで、楽しませてもらいました。更に、毎回出場の稲穂信や懐かしのキャラクター達も登場し、ファンとしては非常にうはうはだったです。
・で、結局誰に萌えたか
音緒。以上。
プレイ開始。V、W、Xをプレイして、その魅力に浸っている私としては、楽しみな作品です。まだ序盤ですが、非常に楽しみな展開を予感させるものです。今回は女主人公なのか〜、と思いながら。期待できそうです。
・2004/09/09
この想い切なくて
この想い悲しくて
君に僕のキモチを送ろう
淡い僕の心を伝えよう
メールだけでは伝わらない
直接話して感じたい
直接触れて感じたい
心の底から繋がって
僕の全てを伝えたい
歌詞の無いラブソングを
君に聞かせよう
リリックは僕自身
僕の全てが君への想い
前回の日記を見ると『台風』と書かれているのですが、まさか一週間後にまた上陸するとは思いませんでした。うちにも直撃でした。幸い、前回みたく被害はありませんでしたが、様々なところで被害はあったみたいですね。被害に遭われた方、ご不運でした。
■嘉門達夫面白いですね。替え歌シリーズとか、よくもここまで思いつくなあと、感心するばかり。ハンバーガーショップも、非常に良いです。
・2004/08/31
その瞬間、世界は風と水に支配される。
大地の恵みを受けた木々は、容赦なくなぎ倒される。
文化の象徴は、尽く彼等に蹂躙される。
まるでそれは、この世の終わり。
人はそれに対して、成す術を持たない。
文明の利器など、何の役にも立たない。
全ては自然の脅威。
人はただ、影で怯えて暮らしているのみ。
いつか晴れ渡る、あの青空を待ち望みながら……。
すごかったです。久々福岡に、こんな大型の台風が直撃を果たしたような気がします。木は倒されるわ電車は止まるわ前は見えないわ、もう大惨事。見てられない。しかしそんな中、会社へと足を向けた猛者も居るみたいです。頑張りますねえ。あ、ちなみに、電車バス共に止まってますよ〜。
しかしこの台風が来て、近くの川が氾濫しないかビクビクしてましたよ。以前、大雨が降ったときに氾濫しましてねえ、そのときは道路が崩れました。今日は、そのときのことが思い出されました。幸い、氾濫はしなかったようです。
終わりましたね。最後の男子マラソンの突然の乱入者にはびっくりしました。見てませんでしたけど。でも後ほどニュースで見て、昨年のF1イギリスGPにも同じ人が乱入したのを思い出しました。いやあ、あそこまでやると涙ぐましい努力ですな。努力の内容は『キリストは再臨する』というものだったらしいですけど。
■小説久々更新です。オリジナルです。いい加減、そろそろ更新しなくては、と思いながら、せかせか書きました。やっぱりここのメインコンテンツは小説ですから、それが無かったらただの辺境の地ですよ。この更新を機に、またどんどん書けたら良いな〜。
・2004/08/29
空白
無
空虚
無いことは恐怖
存在しない恐怖が存在する
意味に意味は無い
肯定を否定する
何も無い
そこに居ることも無い
それは純粋な無
全てが終わる状態
そして全てが始まる領域
全てが無くなり
そして始まる
とあるお仕事が私のところに入りまして、5日ばかり程こっちの方に気を向けられませんでした。もっとも、今までに放置してきた2ヶ月間に比べれば、今更何を、という感じなのですが。とりあえず、一段落着いてほっと一息の今なのです。
■名前新たに『桔』『撫』『凛』等の漢字が使用できるようになりました。これによって、『桔梗』『撫子』のような名前が増えてくるでしょうな。しかし、なぜ今までつかえなかったのか、そっちの方が不思議ですな。負の意味を有する漢字ならともかく。謎だ。
■ミシガン 友人に借りて、プレイしてみる。なんと言いますか……、私、こういう話は苦手かもしれません。暴力シーンやグロテスクな表現はOKだったはずなのですが。ヴァーチャルだから、変なリミットが掛かっていないから、というのが考えられますが、とりあえず再プレイを行う勇気は起こりません。
とりあえず、残虐な表現を見て鬱になった後は、振り返ってブリスコに体当たりして憂さ晴らししていました。
・2004/08/24
混沌の闇
底辺の黒
無限の堕落
負の螺旋
人は翼を失う
人は欲を貪る
人は抑を忘る
人は善を殺す
悲しくは生物
惜しむは宿命
必然にして必定
定理にして摂理
真理にして道理
目的にして目標
人は闇から羽ばたけない
底なしの海を泳いでゆく
それがまるで
あるべき姿であるように
それは昨日のこと。何時ものように、ネットサーフィンでも興じようかと思い、Bフレッツに接続しようとしたのですが、出てきた言葉は『応答がありません』と。何回やっても、結果は同じ。よって昨日は、パソコンがただのゲーム機と化していました。痛い話だ。ちなみに、翌日になると直っていました。
■アクトレイザー久々にやってみました。懐かしさが思わずこみ上げてきました。ゲーム性等の問題は、目を瞑っておくとして。でも面白いと思いますよ、多分。
・2004/08/21
躊躇する彼
立ち止まる彼女
躊躇うあの人
振り返るあの子
誰も先には進めない
自らを枷で絡めて
抗うこともせずに
ただあるがままに
全てを受け流す
進む勇気
止まる恐怖
どちらも選べない僕
僕は弱い人間だ
プレイ完了です。結構面白いゲームでした。オーガストのゲームは初めてプレイしたのですが、これからがすごく期待の持てるメーカーとなりました。
最初は普通の学園恋愛ADVかな〜と思っていたのですが、まあ徐々に『東奔西走スクールライフADV』の本領を発揮していきました。あのドタバタこそが東奔西走、あの荒唐無稽さこそがADVだと思いました。次第に惹かれていく、魅力あるキャラクターこそが持ち味。興味を持った人は、プレイしてみると良いですよ。お薦めです。
プレイ中です。『メモオフ』シリーズ第三弾を、今更ながらにやっています。早くも二人、攻略完了したのですが、前作2作と比べると、話が濃いな〜と思いました。濃い、というのは内容だけではなく、重いという意味も込められています。何だか、死に近い感じがするゲームです。メモオフって、こんな感じだったっけ?
・2004/08/19
笑う顔
怒る顔
悲しむ顔
楽しむ顔
その全てが可憐
その全てが優美
まるで勝利の女神のように
君の笑顔に僕は応える
まるで温かい光のように
君は僕を包み込む
君は僕の目印として
僕は君を夢とする
僕は君の道標として
僕は君のモノとなる
君を失ってしまった今
僕は何に生きれば良いのだろう
順調に接近中です。いや、もう最接近したのかな?風はびゅーびゅー吹いていて、窓がガタガタ揺れます。頼むから、ホラーゲームやっているときにこれは止めてほしいものだね。
■オリンピック順調に開催中です。私が一番嬉しかったのは、体操の団体金メダルですかね。リアルタイムで見れなかったのが残念でしたけど。それと、柔道の81kg級の3位決定戦も良かったですね。ロシアの選手が、左腕を怪我して、更には最後に流血までして銅メダルを取りました。いやあ、血肉沸き躍ったね。
■小説順調に停滞中ですw。何故か今月姫SSを書いていたりします。あと連載モノの続きをぼちぼち書いております。でも皆様にお届けできるのは、いつの頃になるのやら……(駄目×2)。
・2004/08/18
翳る朝靄
照る朝日
何時もと同じ情景
何時もと違う光景
隣には君はいない
一人分の空白
致命的な欠落
僕の中に同じ形の穴が空く
僕の心を満たしてくれる
君はもうここにはいない
僕は夜に生きている
僕の朝はまだやって来ない
えっと、気付いている人も居るかな〜とは思うのですが(むしろ気付いてくれないと寂しい…)、3日前の日記から書いている詩は、一つのテーマに沿って書いています。今のテーマは『愛する人の死』です。実はこの3つを並べると、一つのストーリーになったりならなかったり。いつか一つに纏めようかな、とも思っています。
■『ミシガン』友人宅で見てみました。操作性が難しそうだが、中々に独創的なゲームだと思いました。L2ボタンを押したら、カメラマン(つまりプレイヤー)がタックルしたりするのですが、それでレポーターやら音声さんやらを突き飛ばせます。そして哀れ、彼等はそのまま化物の腹の中へ……、合掌。中々にインモラルなゲームだと思いました。
■ブリスコ&インリン 上の続き。このゲームに出てくる音声さん、名をブリスコ(通称鰤、どっかのヨーヨー遣いの少年みたいだ)というのですが、この人がいい味を出しています。何度もカメラマンにタックルされながらも、必死に付いていこうとするあの甲斐甲斐しさに、思わず胸打たれました。
そして、彼が好きなモデル(だったかなあ……)で、インリンというキャラが居ます。そのキャラがなんと言うか……、声優の台詞がかなり棒読み、まるでど素人の演技みたいでした。いつか見た女教師モノのAVを思い出してしまいました。
・2004/08/17
刹那に咲く花は
その一瞬の命を賭し
最期の輝きを照らす
虚空に浮かぶ花は
その命を咲かせた後
闇と同化する
脆くて儚い
しかしその儚さが美しかった
君は今
一輪の花となった
そして儚く
夜空へと散っていった
以前の『百花繚乱』の掲示板で、私は『8月上旬には新サイトが完成する』と言っていました……確か。それにもかかわらず、今になってサイト発表となりました。
理由としては、今から59年前、全てを失った私達の先祖は、この日を境に新しい世界を創り上げました。それに倣って、丁度良い区切りの日となるかなあと思いました。
……という立派な理由なら良いのですが、実はそんな大層なものでもなく、パソコンのディスプレイが壊れて製作作業が遅れた、というだけのお話です。つーか、電源も付かないってどういうこと?
以前から結構中途半端に執筆を行ってきましたが、そろそろ再開したいと思っています。メインは昔の連載小説を続けるのですが、二次創作はあまりやることは無いと思います。ネタが生まれたら書く、という形になると思います。でも、続き物は終わらせたいな〜、と思ったりもする、今日この頃です。
■花火 先日のこと、近所で花火大会が行われました。私は学校の後輩と行ったのですが、浴衣美女の方に自然と眼が向き、さらには後輩にカメラを取ってもらおうとした始末。良かった、捕まらなくて。
……結局、花火よりも浴衣の方を見ていた気がします。いや、日本の美だね。
・2004/08/16
雪原が朱に染まる
それはとてもキレイで
思わずそれに見惚れていて
それでも僕は気付いてしまう
それが君の生きている証であることに
それが君の死に沈む印であることに
君は笑う
僕は泣く
そして僕等の時間は終わる
皆様、『GATE』へようこそいらっしゃいました。私がここの
この『GATE』の由来は、まあ意味は文字通りの『門』または『扉』なのですが、『別世界へと続く場所』という感じでつけました。場所から場所へと繋ぐ門。これには、そう言った意がこめられています。
■名前を変えた理由一言で言うなら、区切りですかね。別に前のままでも良かったのですが、このままだとズルズルと更新しない状態が続くと思ったので、私自身の心をリフレッシュする為に、という意味合いが強かったと思います。自分勝手な理由ですいません。
■最後にそれでは皆様、歪曲した空間に位置する絶望『GATE』に、しばらくお付き合いくださいませ……。